Luc's Lantern / William Parker
あたまに入るWilliam Parkerのベース、やっぱり、黒いです。。。
一音、一音が、下の方から揺さぶるように響いてきます。
ピアノも、それに呼応するように、シンプルで音数の少ない、そしてダークな音選び。
時たま心の中にぐっと、ねじり混んでくるような、響きです。
10曲ある曲は全部William Parkerのオリジナル。
彼の曲は、とてもシンプルなテーマです。非常にわかりやすいメロディ。
誤解を恐れずに言うなら、それは、洗練されたメロディというよりは、むしろ泥臭い感じ。
しかし、その単純なメロディは、必要に繰り返される内に、聴く側の潜在意識の中にしっかり刷り込まれてしまいます。
知らない間に、頭の中をぐるぐる、曲がまわっています。
興味があったピアノもシンプルで知的な感じ。
テンションがあがるような局面で、両手で和音みたいな時でも、
決してヒステリックな感じならずに、なんだか、度胸の据わった、姉御肌の演奏。やるなぁ。
で、時折みせる、奔放な感じが、何故か艶さえ感じてしまう。
William Parkerのような、小手先のかっこよさではなく、存在そのもを問いただしていくような演奏の中では、一緒に演奏する人間も自分が裸になってしまうのかもしれません。かっこよし。
単純なリズムやフレーズを繰り返し、そこからピアノとドラムと一つの方向に向かってなだれ込んで、統括し崩壊し、、決してノイジーとならず、とことん自己主張していく姿はやはり、一筋縄ではいかない芯の強さをかんじます。
このアルバムは決して、アヴァンギャルドな絵演奏では無いとおもいますが、やはり歴戦の勇姿ですよね。
私がここで彼から感じたものは、前衛的とか先鋭的などといった表現でなく、「原始的」なもの。
心臓の鼓動、脈打つリズム、胎動など、、、そして、地球の鼓動かな。
誰もが必ず意識せずに持ってる、リズムを、刺激して、そして、ピアノとドラムも一緒にその潜在意識のなかの何かを思いおこさせるのです。
ライナーみると、William Parkerが一曲づつに、コメントをかいてます。
これが、また、なかなか、面白い、コメント。
うん、演奏のように飾り気がなく、実に単刀直入。
おかげで、彼の曲に対する思い?は良くわかり楽しかったです。
でも、どうなんでしょ?こうやって、出してしまったたら、それはまぁ。。
聴き手がどのように感じようと、自由。
わ、そうなの?そんな意味の曲だったの?
って、、最初に読んでしまわないほうがいいかもしれませんね。
なかなか、面白いコメントで、こちらも一度読むそのイメージからぬえけられなくなるかも。。。しれないから。
私が一番気に入ったのは二曲目のスローなナンバーです。
とても素敵なメロディと演奏で、思わず胸を奪われてしまいました。
最初に聴いた時のイメージは、何故かこの地球から失われつつかるすばらしい自然でした。昔TVでみた熱帯雨林にかかる霧。。。の映像が浮かんでしまった。
そんな超普遍的な美しさをもった、叙情豊かな曲だったものですから。。。
他も、本当にシンプルで、飾り気無いテーマが多く、なんだか、子どもの遊び唄みたいだったり、何処かの古民謡みたいだったりする、メロディが多かったです。
このアルバムが、誰にでも受け入れられるアルバムかどうかは、わかりませんが、聴いた人間の、心の中に何か不思議な「塊」を残すアルバムなんだろうな、っておもいました。
いわゆる北欧的な美しさを追求するピアノトリオとは違いますが、William Parkerの有史以来の「美」学がつまってることは間違いないとおもいます。
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