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音楽で拡がる輪

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2018年12月16日 (日)

プログレッシヴな怒り 『Lines in the Sand / Antonio Sanchez & Migration』

Linesin_the_sand


ドラムだけでなく、クリエイティヴな才能を遺憾なく発揮し続けているアメリカを代表するドラマー、アントニオ・サンチェス。
メキシコからの移民者である彼の、現在の米国大統領への怒りは膨らむ一方のようだ。
毎年のように話題作をリリースを続けているサンチェス。今回は、Migrationとしてのリリースで、前作は、『The Meridian Suite』
ただし、アルバム・コンセプトは、渾身のソロ・アルバム『Bad Hombre』を引き継ぐもの。米国の今に投げかける巨大な投石です。サックスは、皆さんに人気のあるシェイマス・ブレイクに代わって、俊英ポスト・マイケル・ブレッカーとも言われているチェイス・ベアード。役者は揃った、って、感じか。

オープナー「Travesia Intro」は、サイレンや人々の声が重なり、殺気立った様相。
全20分超えの「Travesia」は、Part I 〜 IIIまであって、シームレスに自然な感じで繋がっている。サンチェスの超絶なドラムを中心に、緊迫感のある空気を創り出して行く。前作に増して、タナ・アレクサのヴォイスが素晴らしい。複雑なサウンドの中にからみ込んで想像を掻き立ててくれる。ストリングスの迫力も半端なく、一体渾然となって迫ってくる。もちろん、ジョン・エスクリート、マット・ブリューワーがサウンドを盛り上げていることは言うまでもない。そして、新加入のベアードも、最後にバリバリのブロウで強烈な印象を放っている。圧巻な20分。
気持ちを鎮めるような静かなひととき「Long Road」。アレクサのコンテンポラリーなヴォイスが切ない。サウンドがシンプルになると、ドラムの超絶さが反比例する。
いきなり不穏な「Bad Hombres Y Mujeres」、重量級のドラムの1音1音がバシバシ飛んでくる。それに応える高速でスリリングなやりとり。
「Home」は、唯一、歌詞のついた楽曲。作曲は、サンチェス、作詞は、アレクサ。静かな中にも重く沁みる内容、良いと思う。
終演は、Part I とPart IIに別れているタイトル曲「Lines In The Sand」26分超え。 緻密に組み上げたサウンドの中に、彼の焦燥感や切迫感などの感情が吐露されており凄まじいまでに壮大な世界。最後の最後まで目が離せません。

凄かったぁ。
ドラマーとしてだけでなく、コンポーザー、プロデューサーとして、その創造力のハイレベルなこと脱帽っす。で、公私のパートナー、アレクサが素晴らしい!!しかも、美人すぎる。笑
音楽で、自由に自分の気持ちを表現できるって、なんて、素晴らしいのだろう。
でも、その源が「怒り」だということは、切ないですね。年末を飾る問題作。

1.Travesia Intro
2.Travesia (Part I - Part II - Part III)
3.Long Road
4.Bad Hombres Y Mujeres
5.Home
6.Lines In The Sand (Part I - Part II)

Antonio Sanchez (ds, key,vo)
John screet (p, fender rhodes, prophet synth)
Matt Brewer( b,el-b)
Thana Alexa (vo, effects)
Chase Baird (ts, EWI)
Nathan Shram (viola) #Travesia Part II
Elad Kabilio (cello) #Travesia Part II and Long Road

今日のあまけは、2018年Santa Luciaでのフェスから「Lines In The Sand」。

もう、、いくつ寝ると、、「クリスマス♪」
世界中の人たちに、平和な夜がくるといいですよねぇ。。

んじゃ、退散♪

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コメント

Suzuckさん,こんばんは。先ほど帰国しました。

Antonio Sanchezの怒りはもの凄いと思いますが,私から言わせればもっともなことなので,それを音楽へと展開する姿勢はミュージシャンとしては当然なのだと思います。

これからのホリデイ・シーズンに向けての音楽とは言えませんが,言わずにおけず,やらずにおけずというSanchezの心情に強いシンパシーを覚える私です。

ということで,TBさせて頂きます。

閣下、お帰りなさいませ。

サンチェス、、無敵ですねぇ!
私も、感情を音楽で表すことに 異議はありません。
本当に、某大統領は、、失礼なヤツだとおもいます。
彼が、大統領になって、、私の中にあった米国への憧れは変化しましたね。

ホリデイ・シーズン、、タナ・アレクサさまには、、いつか、一枚出して欲しいものだわ。。

トラバ、ありがとうございました。

 日本人の弱い(憧れの)先進国アメリカも遂にかっての日本のようなムードに包まれつつ有り、所謂文化人にとっては最悪のパターンを呈しつつある。しかしそれを支持する層は決して少なくないアメリカの現状に憂えるだけでよいのだろうか・・・。
 メキシコ人・アメリカ人のサンチェスの落胆と憤りそして哀しみはしっかりと受け止めたいところです。

風呂井戸さま、日本人には、白人への憧れというものが、、刷り込まれてるきがします。
まぁ、あの大統領のおかげで、それは幻想であることはよくわかりました。
あの大統領を選んだ人たちの多くが白人ですからね。

サンチェスだけでなく、移民として、あるいは人種で差別されてることへの怒りをあらわにしてるミュージシャンはたくさんいますよね。

かなり遅れての入手でした。

昨年11月中に聴けていたら、昨年のベスト3に影響を与えたかもしれないなあ、と思います。パット・メセニー・グループの素地はあるにしても、既に彼の表現方法として成立してしまっているところがなかなかスゴいことだよなあ、と思います。何てたって、彼、ドラマーですもんね。それで、ここまでスゴいサウンドを、と思うと、しびれます。

TBさせていただきます。

910さま、トラバをありがとうございます。
サンチェスさま、何をやってもかっこいいですよねぇ。

彼だけでなく、、ミュージシャンの中には、移民、、あるいはその子孫の方達も多いですよね。
多くの方々の怒りのエネルギーが一緒に渦巻いていそうですよね。

こちらからも、トラバいたします。

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