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音楽で拡がる輪

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2018年3月 3日 (土)

貴方も目をとじて  『目ヲ閉ジテ 見ル映画 / トリオ深海ノ窓 』

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ちょっと、前置きがながいです。m(_ _)m
少し前に、Kanazawa Jazz daysのkenさまがお仕事で新潟市にいらした時に、オーディオ・マニアでもある彼が以前から興味をもっていた市内のジャズ喫茶&ライブ・ハウスのJAZZ Flashにご一緒した。
カウンターで、アルト・サックスの話をしていた時にトリオ深海ノ窓の吉田野乃子氏の話になって、このアルバムを強く推薦されていた。と、言うか、吉田野乃子氏がとてもお気に入りのようだった。彼は、アヴァンギャルドなインプロ系の音楽が大好きなので、私も構えていたのだけれど、、持参されてたiPad?で、聴いたアルバムの動画にはいい意味で裏切られちゃったのだ。百聞は一見にしかず、ではないけどれど、、どーんとまっすぐに出てくる音でキャッチーでポップな楽曲を攻めあげるブロウは、なかなか素晴らしかった。で、家に帰ってからご本人にメールで直接注文しちゃったのである。

吉田野乃子氏は、北海道の出身でニューヨークで前衛音楽にどっぷりつかっていた方。現在は北海道に戻っておられ、このアルバムは、北海道のミュージシャンたちと作成したもの。
1、2、4、7、9、10がピアニストの富樫範子氏の作曲、3が吉田野乃子氏の作曲、8はトタニハジメ氏の作曲。コンセプトはアルバムのタイトルそのもです。

オープナーは、嵐の前の静けさで始まる「流転」。静かな顔見せの時間から次第にヒートアップしていく。叙情的なメロディを情熱的に吹き上げるサックス。気がつけばフリーキーなブロウが胸に刺さる。めちゃ、ドラマチックなのよ。いや、まいった、ポップな「Traffic Jam」、きっちり進行するピアノ、異空間に手をだすフレットレスベース。朗々と始まる「空ヲ知ル」、目を閉じて空を見上げる気分。3人の強い念で、その音は宇宙の果てを目指す。おぉ、サックスソロぶっちぎれましたね。ピアノが跳ねる「Polka Dot & Paisley」、ピアノは普通に美しいバップピアノなんだけど、前衛的なサックスのプレイととてもマッチしていて、気持ち良い音空間。
はらはらと散る桜が浮かぶ詩情的な「さくら」、美しくよく鳴るサックスと柔らかな響きのベース、そして硬質なピアノの音が心に沁みる。
「Ring ~ Blue ~」、ピアノの哀愁が、一瞬深海の底にいることを忘れ、その余韻を引き立てるようなサックスの演奏で始まる「Ring ~ Red ~」。サックスは、ノイジーな音やフリーキーなブロウの時以外は、ストレートに感情の伝わる良い音でサックスを吹き上げる。そして、一旦インプロビゼイションに入ると自由奔放に吹上、想いを吐露する。
「Water Drops」、エレクトロニクスの世界は自在に伸び縮みして、見たことのない世界を観せてくれる。なんて、気持ちいいのでしょ。サックスカデンツァから始まった「碧の人魚」、ベースの音の揺らぎが水の中を思わせる。人魚の豊かな長い髪が揺れる。。情熱と冷静の同居。
終演は「Non Rem Sleep」、随分とダンディな演奏ですこと。ええ。。今までのことは、ノンレム睡眠中の出来事にしろって?いや、いや、忘れられない夢でございました…。


よかったな。

このアルバムの勝因は、普段の3人の棲む世界が違うことだと思う。
インプロビゼイションの追及に余念のないサックスが、美しいキャッチーなメロディを提供し奏でるピアノ、空間認識の広さ大きさが異なるベースと組んだ世界は、とてもウェットで日本的風景で情熱的に心に響いたのでした。


1. 流転
2. Traffic Jam
3. 空ヲ知ル
4. Polka Dot & Paisley
5. さくら
6. Ring ~ Blue ~
7. Ring ~ Red ~
8. Water Drops
9. 碧の人魚
10. Non Rem Sleep

吉田野乃子 (sax)
富樫範子 (p)
トタニハジメ (fretless bass)

今日のおまけは、アルバムのオープナーを飾る「流転」。

お雛祭りですね。
小さな陶器のお雛様をかざりましたよ。

んじゃ、退散♪

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JAZZ」カテゴリの記事

コメント

いいアルバムですよね。広く聴かれるべきもの、だと思います。
「アヴァンギャルドなインプロ系の音楽が大好き」、ということもありますが、楽器の音色や表現の面白さに耳がいくと、自然とジャズから現代音楽やimprovised musicに関心が広がる、というか、垣根がなくなる、そんな感じです。だから、ロイドのテナーが良い音だなあ、という感覚と同じなんです、私としては。
吉田野乃子さんのサックス、実に音が太くて、響きが良いと思っています。

すみません、トラックバック代わりのリンクを貼り忘れました:
http://kanazawajazzdays.hatenablog.com/entry/2017/12/06/071622

kenさま、素敵なアルバムをご紹介くださって、ありがとうございました。

「楽器の音色や表現の面白さに耳がいくと、自然とジャズから現代音楽やimprovised musicに関心が広がる、というか、垣根がなくなる、そんな感じです。」

納得なのですが、わたしの中では垣根は低くなったとといえ、、まだ、垣根が残っている感じが正直なところです。今、ECMのアンディー・シェパードを聴いていたのですが、柔らかな音で心地よいなぁ、と思ってました。
野々子氏のような太さはないけど、柔らかで心地よく良くなってるなぁ、、って、感じ。

トラバをありがとうございます。
私もトラバしますね。

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