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音楽で拡がる輪

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2013年3月 5日 (火)

Hagar's Song / Charles Lloyd Jason Moran


齢80のショーターさまの強権発動的な強面な我に対抗するのは、齢75の若干若いがすでに仙人の領域に突入のCharles Lloydさまの大地を吹き抜ける風のごとく無の境地。
チャールスロイドはその実態に大きな変化を見せぬまま、どんどんと幽玄な世界を闊歩する老人となりました。若い人たちの持つダイアモンドのように光り輝くエネルギーにインスパイアされならが、自分が歩んできた路をそのまま彼らに啓示することで彼らの力にもなる。
今回は、すでに七年ほど活動を続けている自分のカルテットのピアニストJason Moranとのデュオ。デュオは全ての信頼を託していた今は亡き朋友Billy Higginsとの2枚組の「Which Way Is East」が浮かびますので、ご存じのように、、ロイドはね、、素晴らしいピアニスト起用し続けてるのでありますが、、ジェイソンモランは、、かなり、、特別な存在なのだろうなぁ、、と、感じますです。子どもや孫みたいなお歳のモランが彼の独特な音楽世界をしっかり支えてる。

Hagar Suiteという彼の祖母に捧げられた5つのパートからなる組曲を中心に前半はジャズスタンダードでバラードが多めに、後半の終わりにはポップなチューンも入って彼の人生、、音楽への愛がつまってる。

オープナーは嫋やかにロイドが吹き始めるストレートホーンのPretty Girl。その空気を柔らかにふるわせるモランのピアノ。スィンギィーに始まるデュークのMood Indigo。軽快な会話は歳の差を感じない遊び仲間のよう。柔らかに柔らかにガーシュインのBess, You Is My Woman Now。切なく歌うAll About Ronnie。そのどの演奏にもモランは最善を尽くしていると思います。
そして、ロイドのオリジナルPictogramは無調なアブストラクトなやりとりでシリアスな会話。
前後の穏やかな雰囲気に黒点を入れるようなスパイシーな感じ。
大好きなYou've Changedは、長閑な雰囲なのですが、ロイドもモランもとても好きな演奏になってます。互いに無駄口はきかず、心と心の会話のよう。。曲の後半のシンプルなモランの演奏がたまらないな。

10歳で自宅からさらわれて奴隷として過ごした彼の祖母に捧げた組曲。低音を効果的に響かせたモランのピアノが不安を象徴するJourney Up River。もの悲しい旋律が胸に響くDreams Of White Bluff。沈み込む、沈み込む、地の果てまでも。。一緒に暗く深い淵に落ちていく感じ。調和のとれない心模様、破綻しそうな心模様Alone。タンバリンの鈴の音が不安を助長する。渦を巻いた不安のまっただ中にたたされた不安定Bolivar Blues。幼い子どもの言葉の繰り返しのようなHagar's Lullaby。。彼女に安眠の夜はあったのだろうか。。暗く、もの淋しい、、メランコリックな曲の5つの塊。滲み出た涙でできた夜の海。

流麗なモランのピアノからはいるRosetta。躍動感あるモランのリズムにのって饒舌な会話を展開。ディランのI Shall Be Released。スローにゆったりと。。元のメロディもいいのですけど、抑えた演奏が余計にぐっときてしまいます。この演奏もとても好き。な、、なんと、最後もスローで静寂に奏でるビーチボーイズのペット・サウンズに入っていたGod Only Knows。短いけれど、仄かな明るさと温度を感じる演奏で、、救いをみる。。

って、やっぱり、ロイドは硬派な仙人ですわ。
そして、一言で言えば、、厳か。それに尽きてしまうかもしれません。

人生苦あれば楽ありと申しますが、、苦あり苦ありの人生もあれば、楽あり楽ありの人生もあるわけで。。わたしは人生の旅路は諸行無常という言葉の方がぴったりきます。
そういう中で、チャールスロイドは深淵な世界での永遠を求めてやまない素敵な仙人さまだと思ってます。。

1.Pretty Girl
2.Mood Indigo
3.Bess, You Is My Woman Now
4.All About Ronnie
5.Pictogram
6.You've Changed
7.Hagar Suite
 I.Journey Up River
 II.Dreams Of White Bluff
 III.Alone
 IV.Bolivar Blues
 V.Hagar's Lullaby
8.Rosetta
9.I Shall Be Released
10.God Only Knows

Charles Lloyd (ts, as, b-fl, a-fl)
Jason Moran (p, tamb)

最後に、、戯言。。
これねぇ。。はじめ、、聴いたときは、、特別重たい感じでもなく、すぅ〜と、入ってしまったです。結構、前に到着して、ファーストインプレッションもすぐにだしちゃってるんですわ。わぁ。。ロイドさま〜って、感じです。はい。
比較的、、のほほんと、聴けちゃったのは、、あまり重たくなりすぎないように、、といった、、
そういうロイドの意向がアルバム作りに反映されてたからではないでしょうか。。
ところが、いろいろ、、時間がたつうちに、Hagar's Songのタイトルの持つ重さが感じられてくるわけです、、、だって、10歳で自宅(アメリカだよ!)からさらわれて、奴隷として売られた少女の人生を考えると、、たまらない憂鬱な時間が訪れてしまうわけです。
でも、きっと、彼女は小さな喜びを見つけることが上手だったのでしょう。。と、、心に思い込んで。。少し、春めいてたので、思い切ってブログアップしてみました。。

弥生三月、夢見月。。。
んじゃ、退散♪

Hagars_song


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JAZZ(Born In The U.S.A. )」カテゴリの記事

コメント

TBさせていただきます。
デュオアルバムは普段好んでは聴かないのですが、ロイドとモランはカルテットでも相性バッチリなだけあって、特にオリジナルの6曲は最高にいい感じで楽しめました。
それにしてもロイドといいショーターといい、年に関係なくいつでも自分のサウンドを追及している姿勢自体が素晴らしいですね。

SuzuckさんのTBが入っていなかったので、もう一度トライしてみてください。

naryさま、、

>TBさせていただきます。

ありがとございます。

>デュオアルバムは普段好んでは聴かないのですが、ロイドとモランはカルテットでも相性バッチリなだけあって、特にオリジナルの6曲は最高にいい感じで楽しめました。

オリジナルの暗さ、重さと、、既成曲の柔らかさ、、一見、、随分、対照的な感じでしたね。
でも、スタンダードやポッポスの演奏も深みがあって、「渋い」です。

>それにしてもロイドといいショーターといい、年に関係なくいつでも自分のサウンドを追及している姿勢自体が素晴らしいですね。

そうなんですよねぇ。
2人とも音楽に対してはアグレッシブなんですが、でてくる音楽は彼らの人生観を反映してるのでしょうねぇ。。って、えらそうだった。。(汗)

>SuzuckさんのTBが入っていなかったので、もう一度トライしてみてください。

はいはい。
トラバしなおしました。m(_ _)m

こちらは、春のような、、って、春ですが。。陽ざしになって来ました。

マンフレート・アイヒャーの直接プロデュースでないと、こういう感じになるのかなあ、と思いましたが、軽めで温かいサウンドの懐かしの曲、あるいはロック、ポップス曲と、自作曲の重めというか、シリアスな曲と、うまくバランスがとれていて、けっこうのめり込んで聴けた感じでした。さすがな2人、と思います。どちらもただ者ではなさそうです。

TBさせていただきます。

910さま、、

>マンフレート・アイヒャーの直接プロデュースでないと、こういう感じになるのかなあ、と思いましたが、軽めで温かいサウンドの懐かしの曲、あるいはロック、ポップス曲と、自作曲の重めというか、シリアスな曲と、うまくバランスがとれていて、けっこうのめり込んで聴けた感じでした。

ふむふむ。。
意外な曲があって、わたし的にはびっくりでした。
そして、真ん中の組曲が重たくて暗いので、前後はこんな感じでいいのでないでしょうか。
って、わたしも思いました。

>さすがな2人、と思います。どちらもただ者ではなさそうです。

やっぱ、ロイドの音楽探究の路も凄いですよねぇ。
モランは時々音数がめちゃ多くなるフレーズもあるんですが、
大半は、すげぇ、がんばってるなぁ、、って、思いました。

>TBさせていただきます。

ありがとございます。

suzuckさん、こんにちは、monakaです。
ロイドはなんだか特別な人に位置して、それが特別なアルバムを
作ったようで、良かったと思います。

ブラザー最中さま、、

>suzuckさん、こんにちは、monakaです。

はいはい。
トラバありがとうございました。

>ロイドはなんだか特別な人に位置して、それが特別なアルバムを
作ったようで、良かったと思います。

最中さまのブログを読みました。
そっか、このアルバムはロイドの75歳のお誕生日へのECMからのプレゼントだったのかもしれませんね。

新潟も春めいてきました。
ありがとございました。

Suzuckさま
こんばんは。

ショーターのライブレポートを読んで、行かなかったことが悔やまれます。
やっぱりショーターってそういう雰囲気なのかと納得しました。
CDには収まりきらない音楽なのでしょうね。

さて本作、いかにもロイドというサウンドでしたね。
モランとのコンビネーションも良く、2人の語らいは濃密でした。
特に難解なところはないので安心して音楽に浸れました。
じっくりと聴きたいアルバムだと思います。
最近の長生き老人は皆凄い!(笑)

トラバさせていただきます。

いっきさま、、

すみません、、今、トラバしました。
明日、お返事とコメントに伺います。m(_ _)m

いっきさま、、

>Suzuckさま
>こんばんは。

はいはい。
お返事が遅くなってすみませんでした。
嵐で吹っ飛んでました。って、嘘ですよ。。。

>ショーターのライブレポートを読んで、行かなかったことが悔やまれます。

うん。
わたしは、えらく無理しちゃったのですが、行って良かったです。
クリポタのような血湧き肉躍るとは違う高揚感なのですよ。
日曜日も参戦したかったなぁ。。。(悔)

>やっぱりショーターってそういう雰囲気なのかと納得しました。
>CDには収まりきらない音楽なのでしょうね。

ミュージシャンって皆さま独特なオーラを持ってるでしょ?
でも、それって、媒体を通すと1枚、1枚と剥がれ落ちるのが常でしょ。
でもでも、ショーターの持ってるオーラはCDで聴いても強く感じるし輝きを放ってるでしょ。

動作のひとつひとつに存在感をドドーーンと感じるのです。

ドラムがブレイドだとか、、そういうことに拘ってた自分があほくさく感じました。
でも、ブレイドの方がいいと思うけど。(きっぱり)
これは、矛盾してそうで、してないの。
やっぱり、ショーターが選び抜いた最初のメンバーだけあるんですわ。

>さて本作、いかにもロイドというサウンドでしたね。

はい。
威圧感はないけど、こっちもドドーーンと存在感を感じますよね。

存在感つうか、、、唯一無二だわ。

お正月にライブにいけなくて残念だったし、、
で、話題にもあまりなってませんでしたねぇ。。

>モランとのコンビネーションも良く、2人の語らいは濃密でした。

モランへのロイドの信頼感は素晴らしいですよね。

>特に難解なところはないので安心して音楽に浸れました。
>じっくりと聴きたいアルバムだと思います。

オリジナルになるとその旋律に、深く、難し感情が組み込まれてるけど、、
でも、複雑な感情を吐露したいい作品だと思いました。

>トラバさせていただきます。
>最近の長生き老人は皆凄い!(笑)

やっぱ、長生きの秘訣はクリエイティブな活動かなぁ。
脳に刺激を!!
って、今から、料理修行にでると言う名目で、、旅にでるかな。。(笑)

どうも、ありがとうございました。
そちらへは、明日、、お伺いいたします。m(_ _)m

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